【授業準備】1年生「シンシュン」【評価・見通し・1時間目】
こんにちは。 中学校国語教員です。
今回は光村図書 中学1年生国語 西加奈子さんの書下ろし小説「シンシュン」を授業するなら…と考えてみました。
参考になったり、自分ならこうするという考えの一助になればうれしいです。
「シンシュン」西加奈子 どんな作品?
・中学校の入学式で出会った「シンタ」と「シュンタ」。
二人は見た目も好きなものも嫌いなものもそっくり同じで、すぐに仲良くなる。
しかし、あることがきっかけで「違う」ところを見つけてしまい、気まずい関係に。
クラスメイトに心配される中、「シュンタ」は勇気を出して「シンタ」とけんか(話し合い)をし、仲を修復する。
「そっくりだけど、全然違う人間」であることを受け入れるまでの青春小説。
さすが西加奈子さん。
平易な言葉で思春期特有の感情のブレを見事に描き切ってくださっていると感じました。
中学1年生にも経験がありそうな、これから先経験しそうな、そんな内容でした。
□評価について
「知識技能」
心情や行動を表す語句に注意して読むことができる
「思考判断表現」
場面の展開に沿って、登場人物の関係の変化をとらえ、表にまとめることができる
展開に着目することでとらえられるメリットを自分の言葉で説明することができる
「学習に取り組む態度」
登場人物の関係の変化を表にまとめようとしている
展開に着目することのメリットを説明しようとしている
「B評価の生徒」
これまでの心情や行動を表す語句に着目する学習経験を使い、
場面の展開に沿って登場人物の変化をとらえ、
アドバイスを聞きながら表にまとめることができる。
「A評価の生徒」
本文の記述を丁寧に読み取っている
変化の理由が本文と対応して示されている
自分の言葉で説明することができる
適切なアドバイスができる
「C評価の生徒への手立て」
誰の言葉なのか、自分はどんな気持ちになるか、など問いながら
本文に線を引かせて表にまとめる前の手伝いをする
□準備物
・教科書(予備を3セットほど)
・プリント(穴をあけておく)
・筆記用具(貸し出し用)
(アンケート機能を使えるように)
(プリントもpdf処理して配布できるように)
・範読CD
□流れについて
・見通しを持つ
①読む
②感想アンケートをする
③基本事項を確認する
④場面を一文でまとめる
⑤展開を追いながら精読する
(心情グラフをつくる・何がわかったか説明する)
⑥振り返り・今後役立ちそうな場面を考える
【1時間目】
①読む
これから、小説を読んでいきます。
小学校の頃にも小説を読んできたと思います。どんな作品を読んできましたか?
印象に残っている作品とその理由を言える人はいますか?
すばらしい。
これから読む作品も、みなさんの印象に残る作品になればいいなと思います。
教科書22ページを3秒で開けてください。
小説のタイトルと作者を教えてください。
どんな作品なのか、楽しみですね。
では、読んでいきます。読めない漢字にはフリガナを振ってください。
のちほど感想アンケートをしますので、
「わかる!」「わからない!」「どこが?」を考えながら聞いてください。
(範読か CD)
②感想アンケート
「シンシュン」、どうでしたか?アンケートを取ります
(Google CLASSroomのアンケート機能を使う?)
わかる!人たちはそこにチェックして記述欄、感想欄を埋めてください。
わからない!人たちはそこにチェックして記述欄、感想欄を埋めてください。
(使えない場合は挙手+プリント?)
回答を共有します。
「わかる!」派が○パーセント、「わからない!」派が△パーセントでした。
それぞれの理由としては、「(生徒の言葉を使う)」というものですね。
なるほど。
このような疑問を解決するためにも、内容をしっかり読んでいきましょう。
これからの学習の流れは、このようになります。
(ロイロノートで流れを示す)
・基本事項の確認(登場人物・時・場所)
・場面わけ+一文で説明
・心情の変化を表にまとめる(精読)
・何がわかったかを説明する(根拠)
・振り返り
がんばっていきましょう。
③基本事項の確認
登場人物の中でも一番重要なのは主人公です。主人公は誰ですか。「シュンタ」
「シュンタ」は自分のことを何と呼んでいますか。「僕」
もう一人重要な登場人物がいます。誰ですか。「シンタ」
「シュンタ」と「シンタ」の年齢はどのくらいですか。「中学1年生」
この話はどこで展開されていますか。「学校」
季節はわかりますか。「春~夏」
みなさんと同じ時期、同じ境遇であることがわかりましたね。
このように、共通点が多い登場人物が出てくると、「共感」しやすくなります。
「共感」は「わかる!」「同じ!」という気持ちの事です。
先ほどのアンケートにも、「共感」がたくさん書かれていました。
みなさん、読むセンスがありますね。
④場面分け+一文で説明
さて、この小説は大きく3つの場面に分かれます。
場面①は初めからどこまででしょう?「23ページ7行目」
場面②は23ページ8行目からどこまででしょう?「25ページ3行目」
場面③は25ページ4行目から27ページ11行目までですね。
なぜここで分けましたか?「1行空いているから」
そうですね、良い観察力です。
では、場面①~③、それぞれをどんな場面と言えば良いか考えます。
「(誰・誰と誰)が(どうなって)(どうなった)場面」の( )に入る言葉を考えてみましょう。
(タイマーセット・机間指導)
(発表・共有)
(解答例)
場面①「シンタとシュンタが出会って仲良くなる場面」
場面②「シンタとシュンタが違いを見つけて離れる場面」
場面③「シンタとシュンタが違いを認めて仲を深める場面」
今日はここまでにします。
プリントの写真を撮って保存しましょう。
プリントは紙ファイルに閉じておきましょう。
□まとめ
今回の記事では、評価・見通し・準備物・1時間目の流れをまとめてみました。
次の記事で、2時間目・3時間目の流れを考えていきたいと思います。
アドバイスいただけると嬉しいです。
小説の作者である西加奈子さんの作品はこちら!
教科書に紹介されている作品です。私は「サラバ!」が好きです!
生徒の豊かな読書環境のためにも、何冊かは読んで、雑談の中にでも入れて、世界を広げてあげてください。
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