【授業準備】1年生「シンシュン」【2時間目、3時間目、小説の授業で抑えたいこと】
こんにちは。中学校国語教員です。
今回は、光村図書中学1年生 西加奈子さんの「シンシュン」の続きを考えていきます。
評価・見通し・1時間目の流れは別の記事にまとめているので、こちらでご覧ください。
【授業準備】1年生「シンシュン」【評価・見通し・1時間目】 - 中学校国語教員 仕事ニマケズ結婚スル
アドバイス等、お待ちしております。
【2時間目】
⑤展開を追いながら精読する
前回の復習をします。
(テンポよく。生徒にこちらを向かせる。)
読んでいる文章のジャンルは?「小説」
登場人物は。「シンタ」「シュンタ(主人公)」
年齢・季節は。「中学1年生」「春」
共通点が多いとどのような感情を抱きやすい?「共感」
何場面構成?「3」
それぞれの場面を一文で表現すると?
場面①「シンタとシュンタが出会って仲良くなる場面」
場面②「シンタとシュンタが違いを見つけて離れる場面」
場面③「シンタとシュンタが違いを認めて仲を深める場面」
頭に入っていた人は素晴らしい。
入っていなかった人、調べるスピードが遅かった人は、授業前に準備をすることをおすすめします。
この時間は、場面展開を追って、詳しく読み込んでいきます。
詳しく読むことを「精読」と言います。
プリントを配ります。
心情グラフは小学校で習いましたか?
(習っていれば)使える知識になっていますね!その知識は中学校でも通用します。
(習っていない生徒がいれば)習っている皆さん、どんなものか説明できますか?
(習っていなければ)では、説明します。これから先も使える知識にしていきましょう!
まずはこのプリントに、自分の思う主人公の心情のアップダウンを書いていきます。
次に、なぜそこで上がったのか、下がったのか本文に線を引いて、あとで班の人に説明できるように根拠メモにメモしておきます。
今回で言うと、初めはやや上の方からスタートします。
なぜなら、「そっくり」「仲良くなった」というのを主人公が喜んでいるからです。
このように、本文の順を追って、グラフにしていきます。
書きあがったらもう一度最初から見直します。
それでも時間が余れば、ワークを解くか、他の人にアドバイスするかしてください。
やることがわからない人はいますか?ではスタート。
(タイマーセット・机間指導)
では、次に、班の中でどれくらいの違いがあるのか見ていきましょう。
ロイロノートを使います。グループ設定をしてあります。
班机にして、グラフを作成してください。
自分の意見が通るように、根拠をもって説明することを忘れないでくださいね。
喧嘩はだめですよ。
では、始めてください。(タイマーセット・机間指導)
(時間によってはここまでかも。)
各班のグラフを共有します。
質問したいグラフはありますか?(共有・質疑応答)
どのグラフも根拠をもって作成されていますね。
このように、展開、つまり「事」が起こると、心情「心」が動く。
この働きがよくつかめていると思います。
では、本日のまとめを「展開に着目することで」のあとに続けて書いてみましょう。
プリントは撮影して、紙ファイルに閉じてください。
【3時間目】
今回はシンシュンの最後の授業です。
前回、心情グラフを作りながら詳しく読んでいきました。
詳しく読み込んでいくことを何というか覚えていますか?「精読」
「展開に着目することで」どんなことがわかりましたか?
(例)「事」が起こると「心」が動く
実は、同じ「事」が起こっても「心」の動きはみんな違うんです。
覚えていますか?
初めにシンシュンを読んだ時の疑問「わからない!」と言っていた人たちがいたことを。
その人たちは「共感」するのではなく、「自分なら」という視点で考えて「わからない」としていたんです。
みなさんにも経験はありませんか?
同じ授業を受けたのに、やる気がある人もいれば眠たい人もいる。
同じ通学路を通っているのに、短く感じる人もいれば長くしんどいと感じる人もいる。
当たり前ですよね。
今回学んだ「事」と「心」について、今後どんなところで役立ちそうですか。
「読むとき・解くとき」と「生活の中で」の2種類考えてみましょう。
自分の言葉で学習を振り返ってくださいね。
ロイロノートで提出できた人からワーク・プリントを解いてください。
以上で授業を終わります。
【小説の授業で抑えたいこと】
いろいろあります。
表現・言葉の選び方・展開・転換点・感情語・共感・考えさせたいこと…
内容をつかむことも大切です。感情がわかることも大切です。
ですが、「この文章ではなくても使える読解力」をつけることが重要ではないかと思っています。
同じ文章が、同じ出来事が、日常生活やテストで問われることはありません。
ならば、
少しでもツールとしての読解力を上げること、
そしてそれを日常生活に生かせるよう落とし込むこと。
これがこれから先、国語で小説を読む意味なのかなと思っています。
ご意見ご感想、いただけると嬉しいです。
広がる読書に紹介されている本です。
辻村美月さんは「鏡の孤城」ではなく、「サクラ咲く」が紹介されていますね。
はやみねかおるさんは長編シリーズの「都会のトム&ソーヤ」(大好きです)
学級文庫に忍ばせてみてはいかがでしょうか。
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